踊るたぬきのサンバ・ノ・ぺ

踊らされて生きているたぬきのお話

オリオン座δ星

私が前の会社で、治験の翻訳の仕事をする前、治験コーディネーターの仕事をしていた時のこと。

最近の治験は、データの記録も紙の症例報告書に記載するなどということはなくて、Web上の電子症例報告書システム(EDCと呼ぶ)にデータを入力して保存していく。それがサーバに蓄積されて吐き出されてくるというわけ。そのデータをデータマネジャー(通称DM)が疑義照会したり変なデータを最低限修正してくれたり(勝手にデータを弄るとデータ改竄になってしまうのでDMさんができることには限界がありますが)、入力形式を変えてくれたりなんかして、上げてくれたraw dataを私たち統計解析プログラマーが解析に適したデータセットにし、解析処理を行って、表や一覧表、グラフなどとして治験の結果を出力します。(ちなみに治験コーディネーターとDMさんの話をしておいて、モニター(CRA)さんという重要な役割についてすっ飛ばすのは大変失礼な話なのですが、私自身があんまりモニターの多岐に亘るお仕事内容を把握しきれていないので、今は省きます。CRAさんて、本当に優秀な人じゃないとできない大変なお仕事なんです。)

以上が、かなり不正確で適当な治験のデータの解析の流れです。このあとMWさんがちゃんと正しい形式の報告書にしてくれて、保健当局への承認申請を行えるようになります。

そんで私は、今ポンコツダメダメ統計解析プログラマーをしているわけですが、前の会社では治験関係の翻訳をする前にちょびっとCRCさんの仕事をしていたこともあります。なので、先述のEDCを使ったりしていたこともあるわけです。メールアドレスで登録して、パスワードでログインするのですが、ログインにはメールアドレスではなくユーザ名を設定します。(や、もちろんシステムにもよるんだけど、有名どころのMedidata社のRAVEっていうEDCはそうだったの)

名前の頭文字と苗字、のユーザー名はありきたりな苗字すぎてもうすでに使われており、当時の会社支給の自分のメールアドレス(まぁ、これも名前と苗字の組み合わせなんだけどね)のアカウント部分から記号を省いた文字列を部分的に取り出し、数字と組み合わせてユーザ名を作りました。その文字列が、オリオン座のベルトの一番右側の星の名前だということは後から知りました。完全な偶然でした。そしてその星はオリオン座のδ星でした。α星とかじゃないのがまたよかった。

でもそれが気に入って、今でもインスタのアカウントやら何やらいろんなユーザ名に使っています。

本当はオリオン座じゃなくて、うさぎ座とかしぶんぎ座とか本当にあるんかい、見たことないわ、みたいな星座のδ星だったらもっとよかったんだけどね。

 

なのでもう冬は終わりますが、夜空を見上げてオリオン座を見つけた時は、私のことを思い出してくださいw

そこにたぬきがニヤッと笑っているかもしれません。