踊るたぬきのサンバ・ノ・ぺ

踊らされて生きているたぬきのお話

正しさを否定しないこと

私は、カッコ悪いのにカッコつけたり、こと容姿に関して背伸びをしすぎるのが好きではない。

カッコ悪いのにカッコつけるのはカッコ悪いじゃん、と思っているし、つん、として触れ難いより親しみがある方がいいと思っているから。自信がないとかじゃなくてあんまり

「装う」

ということが好きじゃないんだと思う(こんなブログ書いてるし、自信ありありである意味自分のことは大好きすぎるな、と自分に呆れることがよくある)

 

でも踊りを大して知らないお客さんだったらまず、何に一番目を惹かれるってそりゃ見た目の華やかさに違いない。

 

私はもともと派手なタイプではないし華やかな人間じゃない。本当、セクシー田中さんの会社にいる時の姿みたいな人間(最近は木南晴夏よりめるるの方が共感できること多いんだけどね。)。

昔は切り替えられなくて、眉間に皺寄せて泣きそうな顔したままパレードに出たり板に乗ったりしてた。今も大してにこやかなダンサーではないけれど、それでも衣装を着るとずいぶん顔が変わるらしい。以前に出たあるレッスンの発表会を観ていた人に驚かれたことがある。それ、実は踊りを褒められたのより嬉しかった。

板の上にはきっと神様がいると私は思っているので、ステージは大事に扱いたい。だからエゴは一旦切り離して、ステージに乗ったらパフォーマンスだけに集中して「なんかあの人、人変わったよね」って言われるようでいたい。

言うは易く行うは難しなんだけどね。全然できてないもん。

 

私はそういうギャップって大好きで、昔NHKの番組で、ブロードウェイのダンサーになりたい若者のドキュメンタリーみたいなのがやってた、それを見てみると、衣装は地味な練習着、エントリーナンバーと名前だけ書かれた名札を付けさせられてノーメイクで複雑なステップを踊らされている緊張した面持ちのダンサーたちがすごくカッコよかった。本当に見た目は地味でブロードウェイのスターになる資質を持ち合わせているようには全く見えないような人たちだった。

 

私は多分そんなふうに、普段地味でも本番は切り替える!ってところを見せたいんだと思う。とはいえ、人に混じって練習している時に1人だけで地味で小汚い感じだったら周りのモチベーションを下げてしまう。練習の時からチャラチャラしてるのは全然好きじゃないんだけど、いつでも美しい身だしなみでスッキリとして踊ってみせることは本当に大切なことだと思う。だって練習の時にできないことはひっくり返っても板の上ではできないのだから。

 

だから、変化のない貼り付けたような笑顔で踊ってるダンサーも、練習の時から綺麗にしろって言われるのも、本当に好きじゃないけれど、化粧しない日でもせめて、髪の毛くらいはまとめていこうかな、と思う。

 

笑顔とか、身だしなみとか、そういう基本的なことを捻くれて否定するのは賢いことではないと思うので。