踊るたぬきのサンバ・ノ・ぺ

踊らされて生きているたぬきのお話

続 窓際のトットちゃん

私は子どもの頃から変な子だったから、小学校6年生で「ジェーン・エア」だの「華麗なるギャツビー」だの「風と共に去りぬ」だのを読んでいて少しも子どもらしい名作を読んだことがなかった。偏った読書の仕方をしてて決して褒められた本の読み方をしていなかった。

おまけに、シドニィ・シェルダンにハマってお色気シーン満載の700ページくらいあるサスペンス小説を1週間くらいでドキドキしながら読み切っていた(本当にエッチな小説だったけど多分周りは誰もそんなことに気が付いてなかった…)。まぁ、何せ授業中じゃなきゃいいだろうと、帰りの会とかホームルーム中にまで担任の目を盗んで読んで、男子に声高に怒鳴りつけられたりしていて、その頃から私の規範意識にはかなり問題があったと思う(笑い事じゃなくて、この文章を書きつつ、うん、その頃からか…と少し深刻な気分になってきた)。

まぁ、その頃は男子大嫌いだったので、何言われても無視だったけど。そんなことしてるから男子にいじめられてたのや…。

時は流れ、高校3年生の大学受験前。うちの高校は「目指せ、国立大学合格!我が校の進学実績のために滑り止めに私学は1つは受かれ」みたいな雰囲気があったけど、まぁ、先生達もプレッシャー掛けてたというよりは、一生懸命生徒の進路を考えてくれていたし、生徒もみんな真面目でいい大学を目指してた。片や、まぁ、何とかなるでしょー、みたいな現実的に物事を捉えられないおバカな私。

ストレスに弱いお豆腐メンタルな上に、明確なモチベーションもなく、直前期に結構しっかり燃え尽きる…。そんで二次試験前に現実逃避でがっつりハマって読んでしまったのが、「窓際のトットちゃん」だった。なんか今更⁉︎って感じの児童文学だった。

ADHD丸出しの私としては幼少期のトットちゃんは私にめちゃくちゃ似ている気がしたし、トットちゃんのパパやママ、小林先生など子ども達を取り巻く大人達が皆大らかで優しいのが読んでいてすごく温かい気分になる本だった。

 

まぁ結果的に受けた大学には受かったので、結果オーライだが、なんていうか、こう振り返ってみても不器用で頭も悪くて性格に難もあるとしんどい人生を送るハメになるなぁとしみじみ…。

 

そして昨日、買い物帰りに書店に寄って見つけたのが窓際のトットちゃんの続編「続 窓際のトットちゃん」だった。懐かしさについ買って帰る。物語の中のトットちゃんも成長していて、面白くて可愛かったトットちゃんは、世知辛い現実や成長した大人としての責任、自分の道を切り拓く困難に直面していて、何となくこちらのトットちゃんには感情移入してしまいやすい。そしてすぐ頭に血が昇って、先生や目上の人に余計な一言を言ってしまうところや、面接でいらんことを正直に話してしまうところなんかは自分と重なって何とも言えず苦笑いしながら読んでしまう。

まぁ、トットちゃん(というかこの時にはすでに若い黒柳徹子)にはそれを補ってあまりある才能と努力できる力があったから私よりもずっと豊かな人生を生きていて、そこはうらやましい限りだ。

まだ全部は読みきれていないのだけれど、どんな結末か楽しみだ。

 

P.S 窓ぎわのトットちゃん、が正しい表記らしい。何回タイトルを見ても気が付かないうっかりは私らしい。